知られたくない姫

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“一人になりたい。 信長公に興味をもっていただいて、嬉しい。 でも、森家の期待には応えられそうにもない。 抱かれていないのに、子どもは授からない。 信長公は楽しんでおられる。 私をからかって…。” 美加は自分が情けなかった。 “あのとき、抱いてくださいと抱きつけば、抱いてもらえたのだろうか…?” 頭から離れない。 “あのときーーーあのときーーー” と何度も自問する。 朝餉か昼餉かもわからない時間だったが、さくらがそっと部屋の中に置いていってくれた。
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