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”大切な何かを切り捨てねばならぬとき、
信忠は決断をくだせるか。
自分を一番に考えられる武将か。
それが予の不安であったのだ。
それを幼き姫が言いあてた。
予は信忠に与え過ぎた。
吉乃も信忠に母の愛を与えた・・・”
久しぶりに自分の愛した側室・吉乃を思い出す。
”吉乃が逝ってもう十五年・・・”
吉乃は信長公が生涯最も愛した女性だといわれる。
少し美加を見る目を変えてみようかと信長公は考えた。
勝負の役目を終えた碁盤に目を落とす。
美加と信長公の二人の関係は何かが変わろうとしていた。
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