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あれから数日後、夕刻になって慌ただしく蘭丸様がやってきた。
「これから間もなく、お館様がこちらにお見えですっ!」
さくらも美加も大慌て。
この美加の部屋に信長公が訪れたことはなかった。
六畳ほどの狭い部屋。
信長公を本来迎えられる部屋ではない。
もうそこまで来ていると聞き、
美加は上座を譲り、丁寧に頭を下げて待つ。
化粧直しをする暇もない。
足音が段々近付く。
美加は信長公を必ず守り抜くと決めて、一層信長公への狂おしいほどの愛情があふれてくる日々を送っていた。
数日ぶりに会えることに、以前より増して、胸がときめくのだった。
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