決めた姫

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信長公を本能寺の変から守るということは、歴史が変わるということ。 おそらく、美加がいた元の世界には戻ることはできないだろうと、美加は確信している。 もう二度と家族とも会えない。 美加はそれでもいいと思った。 以前、読んだ本のことを思い出した。 男は”女”と”友達や家族”をどちらかを選ばなければならないとき、 ”友達や家族”を選ぶだろう。 女は”男”と”友達や家族”を選ばなければいけないとき、 ”男”を選ぶだろう。 男は群れを作り、村や家族を守ってきた。 男は一人では生き残れないことを遺伝子が知っている。 遺伝子が”友達や家族”を裏切って”女”を選ばせてはくれない。 一方、女はすべてを捨ててでも、たった一人の男を選ぶことができる― 美加は自分に言い聞かせた。 ”そう、私はすべてを捨てても信長公を選べる” 何度も心の中で自分に言い聞かせた。
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