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「美加姫、葡萄酒を知っているか。
バテレンから、年賀の挨拶にもらってな。
そなたと味わおうと思ってな。」
信長公はそう言うと、どかどかと部屋に入り、葡萄酒を持って上座に座った。
あとから続いてやってきた小姓が、ガラスの器を持ってきた。
美加は知っていると答えるべきか、知らないと答えるべきか返事に迷い、ただ笑みを返した。
「ふむ、よかろう」
曖昧な答えを認めてくれたようだった。
信長公は手で小姓やさくらに部屋からでていくように命令している。
パタン―
皆が部屋から出て行った証明の小さな音がした。
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