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母に愛されず、弟に裏切られ、ようやく手に入れた愛しい女性を失った信長公は天下布武への道へと突き進んだ。
人をいとおしむ心も捨て、鬼と化した。そうしないと、自分が壊れそうだったのか。
たくさんの側室をそばにおいても、その心を真に癒してくれるものはいなかったのだろうか。
帰蝶姫の「天下を目指せ」の御遺言が信長公をこうまで苦しめているのだろうか。
美加は、本能寺の変の阻止のため、まずは信長公が本来持つ闊達な性格に戻すことが出来れば・・・と、蘭丸の言葉から考えていた。
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