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蘭丸が声を荒げて言う。
「美加姫のおかげで、お館様がお変わりになった!」
美加は、そんなことはあり得ないと思った。
少しは自分に心を許したといはいえ、手を繋いだ翌日に、恨みをもって追放したものを許すなど。そんなに甘い統治者ではない。
”何か・・・別の・・・。”
美加は冷静に思いを巡らせたが、情報が少なすぎて結論はでない。
しかし蘭丸は言葉を続ける。
「これで、許された佐久間信栄も、織田の家臣たちも美加姫をお慕いすること、相違ありません。」
と興奮気味に話す。
「それは森家にとってよいことなのでしょうか?」
との美加の問いに、蘭丸は笑顔でうなずき執務室へと戻っていった。
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