天下人を試す姫

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正月十五日、安土城内でどんど焼きが行われていた。 冬のまっただ中にあって、晴れ渡った空に昇るどんどの火は、信長公が帰蝶姫の死後、天下布武を掲げて、無我夢中に駆け上ってきた天下人への道のように見えた。 美加は、あの夜以来、どうしたら信長公を救えるのかその方法を考えていた。 しめ縄やら、書き初めやらが燃えるどんどの火を自室から眺める美加に、久しぶりに時間がとれたのか蘭丸様がやってきた。
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