琵琶湖を越える姫

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公家が皆引き上げた後、さくらと共に後片付けを手伝った。 さくらは、姫がそのようなことを… と止めるのだが、寵姫でもない美加は本当の側室のように、与えられた部屋でなにも働かずに過ごすということに、最近抵抗を覚えてきた。 手を動かしながら、信長公の言葉を反芻する…。 美加の心は虚しくなる。 抱かれたこともないのに、あのように言われても心に冬風が吹き荒ぶようだ。 ただ、 信長公は美加のたくらみにーー のってくれた。 信長公と少し心が通じたようで、嬉しかった。
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