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本能寺滞在が三夜続いた。
昼間は信長公は各方面に出掛け、夜になれば、毎夜違った招待客で宴が催され、美加も参席を許された。
さくらは心配してくれていた。同じ本能寺にいるのに、一度も信長公は美加を自分の寝所に呼ぶことはないし、宴席以外で美加を呼ぶこともない。
美加も不安でないといえば嘘になる。
あの鬼と化した信長公に襲われかけた夜以来、二人で会ってもいない。
もう二度と自分に触れてくれないのかもしれない。
信長公は言っていた…
”ちょうど若い側室が欲しかった”
それは、周囲の武将たちに織田信長はまだまだ若いと知らしめられたらそれでよいだけのこと。
本当に寝所に侍るのは、伽にも慣れた側室で充分なのかもしれない。
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