琵琶湖を越える姫
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「お館様!!」 必死に信長公にしがみつく美加の背を、信長公はゆっくりと撫でてくれた。 「お館様、美加はなにがあろうとも、お館様を!!」 信長公は自分の胸に顔をうずめて、涙声で叫ぶ美加の顔を上に向かせると 「もう良いではないか、美加。 予が悪かった。 予こそ、そなたに嫌われたと思うて、二人で会おうとはしなかった。 予の寝所に無断で訪れるとは…。 思い詰めさせてすまなかった」
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