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「美加にございます。」
安土城内に設けられた六畳ほどの茶室に美加は入った。
中には牛一があぐらをかき、手には何か色とりどりの輝くお菓子を持っていた。
「今日は姫に、これを馳走しようと思い、呼び出したのだ。」
正面に座した美加の手にしろいお菓子を渡した。
「これは、こんぺいとうにございますか?」
「よう、知っておるな。
甘くてうまいぞ。
疲れがとれる。」
口にほおばると甘さが広がる。
「おいしい…。
本当に疲れがとれます。」
「クックッ、やっぱり疲れたのか?」
「え?」
「そうであろうと思う。
松千代も高野山から京まで歩かせるなど姫に酷なことをさせる。」
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