こんぺいとうと姫

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「姫は右筆の仕事を知っておるか?」 「書状を書くお仕事では…?」 「それだけではない。 お館様のもとには山ほど各武将から報告の書状が届く。 お館様は事細かに報告することを武将に命じておるからな。 その中から、お館様の耳にいれるもの、とるに足らぬもの、わしが振り分ける。 織田で何が起こっておるか、一番情報を持っているのは目立ちもせぬうだつのあがらぬ面のわしよ。 たいていのことは知っておる。」 「そうなのですか…。 はい、歩いたのはつらくありました。」 美加は松千代の前で決して弱音を吐かなかったが、始めてつらかったと告白した。
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