こんぺいとうと姫

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「松千代も幼いのお。 嫉妬じゃ。」 「嫉妬? おなごのわたくしに何故に?」 「あやつは、 まだまだ母離れしておらぬ。」 「もしかして、 お鍋の方様がおっしゃっていた息子というのは…。」 「お、勘がいいなあ。 正解じゃ。 松千代はお鍋の方の息子。 父はお館様ではない。 お館様の子だと思い込んでいるものもいるようだが、戦死した前夫との子だ。 お鍋の方がずっと筆頭側室であった。 それが急に表れた若きそなたにお館様が興味を持たれた。 嫉妬じゃ。 歩かせぬでもよかろうに。 輿でも、馬でも、雇えばよいものを」
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