月夜と姫

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ある晩、美加と信長公は二人で月を眺めていた。 「美加は安土の天守閣から月を眺めたことはあるか?」 「いえ、わたくしは一度しか天守閣にのぼったことはございませぬ。 それに昼間でしたゆえ。」 「そうか。 夜もそなたをあそこへ案内すればよかったな。 天守閣からみる月は格別であった。 琵琶湖にときに月がうつってな。 まるで二個の月を見ているかであった。」
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