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真夜中、信長公はあまりに深く眠り
のどの渇きを覚え、目を覚ました。
目を覚ました隣にはスースー眠る寵姫の姿。
いつもなら、水を飲みたければそう命じればよいものを
深く眠れた心地よさにみずから寺の井戸へと足を運んだ。
井戸から水をくみ上げるとよく冷えた水をごくりと飲む。
先ほどの自分の寵姫の得意げな姿を思い起こし
不覚にも思い出し笑いをしてしまった。
満月に近く、丸く満ちた月は暗闇をよく照らす。
渇きが癒え、寝所へときびすを返した。
寝所には大切そうに枕元に木ノ実油が置かれたままだった。
美加が手にしていた木ノ実油を手にとってみた。
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