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今夜は信長公は松千代を連れて
どこかに出掛けている。
寺の者が用意してくれた
夕食を一人食べると、
天下人の帰りを
おとなしく待っていた。
夜はさすがに
ちょっとした音も響く。
馬がとめられ、戸が開き、
主君がもどってきたようだ。
信長公は自室に戻ることなく、
美加の与えられた室へ足を運んだ。
「…美加。
おとなしくしておったか。」
「そのような子ども扱いはおやめくださいませ。
美加はきちんとお館様、松千代様のお帰りを
お待ちしておりました。」
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