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ホカホカと香る湯気がボクの鼻腔をくすぐった。
空腹というわけではないけれど、食欲をそそる香りだ。
もちろん、ボクは普段から買い食いをするわけでは、断じて、ない。
なにせその日はとても寒かったし、なによりボクはとても良い気分だった。
良い気分に従うことは大切だ。ボクとしては。
いつもボクの後ろで影のように付き従ってくれるロイは、黙ってボクの行動を見守ってくれている。
当然、彼にも勧めたけれど、ロイはそれを断った。
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