第1章

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ホカホカと香る湯気がボクの鼻腔をくすぐった。 空腹というわけではないけれど、食欲をそそる香りだ。 もちろん、ボクは普段から買い食いをするわけでは、断じて、ない。 なにせその日はとても寒かったし、なによりボクはとても良い気分だった。 良い気分に従うことは大切だ。ボクとしては。 いつもボクの後ろで影のように付き従ってくれるロイは、黙ってボクの行動を見守ってくれている。 当然、彼にも勧めたけれど、ロイはそれを断った。
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