第1章

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ボクが一人でふわふわの肉饅頭なるものを頬張っていたのはそういった訳で、それが日常というわけでは、決してない。 年の瀬の迫った街はとても賑やかだった。 ――そう、誰かの腕がボクの外套に触れても気にならない程度には。 重ねて言うが、僕が食べ物に気をとられていたために注意が疎かになっていたとか、受け取った包みを早く開きたいがために財布をきちんと仕舞わなかったとか、そんなことは断じてない。はずだ。
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