第1章

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突然ロイが通りすがりの男の腕を捻りあげたものだから、周りは騒然となった。 長身で線が細く、目や髪の色素の薄いロイは、こう見えて意外とチカラが強い。 ロイの銀色にも見える髪に雪が舞って、なかなかに美しい眺めだった。 そういえばロイは雪に似ている。 繊細で触れると消えてしまいそうなところとか、なんとなく静寂を感じるところとか。 この喧騒の中、騒ぎの中心であるはずのロイはいつもの通りに優雅で冷静だ。 なんて、肉饅頭を咀嚼しながらぼんやりと考えていたけれど、彼に腕を取られている男はそれどころではなさそうだね。
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