第1章

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私は最近、とても変な夢を見る。 どこか幸せでどこか胸がぽかりと空いた虚しい気持ち。 これが、夢なのか現実なのかわからなくなるくらいのリアルな世界。 感じる風は心地よく痛みも悲しみも喜びも愛しさも。 『Adonis ramosaー、…』 多分、これが彼の名前だと思う。 夢の中で何度もその名前を繰り返してたのを覚えてる。 目が覚めても、まだ夢の中にいるかのような錯覚に陥りふわふわとした列車にのって手を伸ばす仕草を何度も繰り返した。 いつも夢は最後まで行かず、彼に別れを告げられ泣きそうな顔で私の名前を呼んで列車の窓から私を投げたところで起き上がる。 彼は、なぜ泣いていのか、なぜ別れを告げたのか、なぜ、なぜ。
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