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手を空にかざす。
きらりと光るのは、買ったばかりのペアリング。
嬉しすぎて鼻歌を歌ってしまいそう。
「ちゃんと前、見ないと危ないぞ」
「大丈夫ですって」
後ろから心配してくれる彼。
幸せでいっぱいだった。
「先輩! 早くです!」
海が近くなってきたのか、磯の香りがしてくる。
待ちきれなくなり、駆け出した。
「危ない!」
「えっ……」
気づくと車が迫ってきている。
何が起こっているのか理解できない。
キィィと甲高いブレーキ音があたりに響いた。
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