2.美麗男。

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あの日から、アサンブレに何度もランチに行ったり夜のワインバーの方にも飲みに行く事が多くなった。 一人で行く事もあるし、カオと一緒に行く事もある。 一人で行く時は雨音さんにワインの話を聞いたり、聞いても良く分からないので説明が簡単でステーキに合うワインを教えてもらったりした。 「なぁ、ホズ」 今日の最後のお客さんが帰り、店じまいと明日の準備をしている時。 「なに?」 「お前最近行きつけの店でワインの勉強してるって店長から聞いたんだけどマジ?」 「ああ…そうだよ?」 雨音さんから色々教えてもらって、店にワインの種類も少し増えた。 今度店長がワイン専用カウンターを店内に設置しようかという話をして来たのだ。 で、まだワインの説明がちゃんと出来ないので…とストップをかけてるんだけど… っていうか、このままじゃワインソムリエの資格を取って来いとか言われそうで…!!! 「その店、俺も連れてってくんない?」 「ええー?」 三奈木がそんな事言うのって何だか珍しい…。 「ええーって何だよ。俺だってワインの勉強してみたいし!!」 「でも、私が教えてもらってるのは先方の好意だし…勝手に三奈木連れて行ってコイツにも教えて下さいとか言えないよ」 「そうか…そうだよなー。授業料払ってるわけじゃないし」 「そうそう。私がワインを飲みながら食事するだけで充分ですとか言われちゃうし」 「なに、その人その店の偉いさん?」 「んー…詳しくその辺は聞いてないからよく分からないなぁ」 ソムリエとして働いている、とは聞いてるけど単なる従業員なんだろうか。 若い子に仕事内容教えたり指示を出したりしてるのは見た事あるけど…
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