2.美麗男。

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アサンブレに着く頃には時計の針は22時を回っていた。 基本的にうちの店は20時がラストオーダーで21時閉店。 それから片付けと翌日の準備をする。 それらを済ませてどこかにご飯を食べに行こうとなると22時は回ってしまう。 「いらっしゃいませ」 店の扉を開けると、すぐに雨音さんの声がする。 私の後に三奈木もついて来ている。 「こんばんは」 「レイさん、いらっしゃい。お仕事帰りですか?」 「うん。コイツが一度ここに来てみたいって言うから」 「コイツってお前なぁ…口悪すぎるだろ」 コイツ呼ばわりした私に呆れたように三奈木が言う。 「…仲が良いんですね」 「あ、仕事仲間なんだけど同期入社で…」 「こちらへどうぞ」 雨音さんがニッコリと笑って席へ案内してくれる。 私の説明を遮るように言われた。 「・・・・」 あ、すごい違和感。 雨音さんのニッコリ笑顔。 確かに素敵な笑顔だとは思うんだけど… 「どーした?」 「え?ああ、何でもない」 急に黙り込んだ私を気にして三奈木が声を掛けてきた。 「そうか?」 「うん」 訝しがる三奈木は放っておいて、今日はワインと料理を堪能しよう!と思った。
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