2.美麗男。

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──それから、晩御飯を食べにアサンブレに立ち寄り早々に店を出た。 いつもならもっとゆっくりワインと料理を楽しむのに。 「今から、ひそかに私が行きつけているお店に行くからね!」 にこにこと私の腕を引いてカオが言う。 「ひそかに行きつけてる店?」 「そ!新境地が開けるわよ~」 新境地って…。 まぁ、カオが楽しそうにしているし大人しくついて行こう。 しばらく歩いていると繁華街へとやって来た。 「ちょ、カオ?この辺りって治安悪いんじゃ…あんたこんな所に一人で来たりするの!?」 「意外と平気よ?暗いところに入らなかったら大丈夫!」 いやいや、そーいう問題でもないだろうに。 呼び込みのホストや何かのキャッチがわんさか居るのに… カオは慣れた足取りでスイスイとキャッチの人たちの間を縫うように歩いて行く。
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