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「えええ!?聞いてないよ!?」
オカマバーなんて来た事がないし!!!
「だって今言ったもの。早く入って?」
扉の前で立ち尽くす私にカオは平然と言う。
「お姉さま方に恋愛とはなんたるかご教授いただいたらどう?」
うふふ、とカオはニヤニヤと面白そうに笑う。
「え、いやいやいや…私、帰るし…」
と、扉に向かって身体を回転させた時だった。
「ぶっ!!」
「あらやだ、お客様?ごめんなさい」
振り返った勢いで、私は扉から入って来た誰かとぶつかった。
その人物は男性の声で、オネェ言葉を話していた。
「裏口から入ればよかったわね。ごめんなさいね?大丈夫?」
打った鼻を抑えながら、その人物を見上げると…
「!」
どんなオッサンかと思ってたら、そこには背の高い金髪美女が買い物袋を提げて立っていた。
「あ!美麗ちゃーん!おかえりなさい!!」
店の奥の方からさらに野太い声のオネェ言葉の男性の声が聞こえた。
「ママただいま。これ頼まれてたチーズ」
「あらありがとう~!使いぱしってごめんなさいねー!!ささ、カオちゃんもそのお友達も!?そんな所に突っ立ってないでこっちにいらっしゃい!!」
と、半ば強制的にボックス席へと引っ張られた…
「ちょ…カオ…!!」
「普通に楽しいよ?オカマバー(笑)」
いや、そうかもしれないけど前もってそれを言ってて欲しかったと言うくらい…いいよね!?
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