2.美麗男。

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席についてから、カオが簡単に説明してくれた。 実は社会人になった頃からココに通っていた事、ボトルキープしてある事などなど… 「そんな事知らなかった…」 「だって、ココは私にとっての一種のストレス解消できる場所だったからね~」 「ストレス解消?」 「そ。すんごい笑わせてくれるから、健康にも良さそうでしょ?」 笑う事は健康に良いとは思うけど、お酒飲むじゃん(笑) 「でも、なんで急に私をここに…?」 「うふふー。会わせたい人が居るの!!」 「会わせたい人?…オカマバーに?」 「んもー、いつまで拗ねるのよ?急に連れてきて悪かったってば」 「…まぁ、いいけどさ」 来てしまったものは仕方がない。 こうなったら楽しんでやる!! 「あ、来た来た!美麗さん!」 「はっ!?」 ミレイサン? 「いらっしゃい、カオちゃん。今日はお友達が一緒なのね」 カオの呼んだ先には、先ほど私が入り口でぶつかってしまった人だった。 切れ長の瞳に筋の通った鼻。 赤いルージュが魅惑的に艶めいている、金髪を夜会巻にした女性。 ん? 女性? いやいや、見た目女性でも声が男だから!!! 「美麗です。初めまして」 「は…じめまして。レイです」 こんな美人と同じ響きの名前を持つ私だけど。 とても、美鈴とは名乗れなくて。 あだ名を名乗ってしまった。
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