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「ここだと、誰も私の事をおかしいと言わないから、かな」
「え…」
さっきから頭の中が、スッキリとしない状態が続く。
「あのね、レイ。美麗さんは女装する事が趣味なんだって」
「え、女装が趣味?」
カオの言葉に私は美麗さんを見る。
「そうなの。女装が趣味なんだけど、普通の生活をしていたら出来ないでしょう?ここなら、堂々としていられるし趣味と実益を兼ねられるから」
多少、オネェ言葉を話すのも仕事の内だとか。
「世間一般では女装趣味の男なんて、変態だと気持ち悪がられるでしょ?」
「ああー…そうかもしれませんね」
「…引いた?」
やや様子を窺うように上目遣いで私を見つめる美麗さん。
「いや、そんな事は無いですけど…」
なまじ、女装した男性だと言われてもにわかに信じがたいほど美麗さんは完璧に女性に見えた。
「嬉しい。ありがとう」
にっこりと微笑まれた…!!!
その微笑は神々しいとすら思えるほど綺麗なもので。
「…美麗さんて、無駄に美人ですよね」
「あはは!私もそう思う!!圧倒的美人だよね!!」
カオが心底おかしそうに笑った。
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