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それから私は毎日、永遠と晴美との思い出の動画を見ていた。仕事も手につかず呆けたようにただ毎日を無駄に浪費していた
しかし、動画を見れば見るほど晴海への思いは高まり収縮がつかなくなっていく。晴美に会いたい。晴美と話したい。晴美を撮りたい
私は無意識のうちに会社に辞表を出していた。晴美を徹底的に探すことを決めたのだ。―――これが私の第一の過ちだった
警察はあてにはならなかった。何を言っても二つ返事で返され、気づいたころには警察署をたたき出されている
だったらもう自分で探すしかない。晴美はきっと何か危ないことに巻き込まれているに違いない。私はそう思い家を出た
―――――――――ビデオカメラを片手に・・・
それから、約一か月後・・・
私は銀行から金を引き落とし辛うじて生活していた。晴美を探し続けてはや一ヶ月。いまだにこれと言って情報は入らない
私は鳥取県の我が家を捨て愛知県まで来ていた。晴美を探しているうちに他県へ他県へ流れ今に至った
私はいつも通り朝昼晩と街へ繰り出し、道行く人に動画を見せ尋ねた
「この女性を知りませんか?」
毎日、毎日。雨の日も、風の強い日も、猛暑日の炎天下の中でも私は晴美を探し続けた。私の生きる道はもうほかにはなかった
後に引けないところまで来てしまっていたから。それほどまでに彼女を愛していたから
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