【 雨のち雨、時々飴 】

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『明日の天気は、全国的に雨でしょう。…続いてのニュースは……』 「……そんな…」 僕はニュース番組の天気予報を観て、呆然とした。 窓際だけではなく部屋中に散らばった、てるてる坊主。それが全て無意味だったと知らされたからだ。 既に長い時間降り続いた雨は、僕の願いを打ち砕くように明日も降るのだろう。 悔しくなった僕は、窓から雨粒を見ながら飴を食べてやった。 明日の遠足で食べるはずだった飴。 何個食べても何個食べても、雨は止まない。 何個食べても何個食べても…。
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