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序章
イランにある聖地チャク・チャク。
深夜、決して絶える事なき聖火が、
祭壇を、
司祭達を、
闇を照らしていた。
「―しかしこの程度の光などたかがしれておる、
我等ゾロアスター教は現存する内、
世界最古の教祖が唱えた宗教であり、
ユダヤ教、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教、イスラム教等あらゆる宗教に影響を与えながら、
それらに駆逐されし教え。
だからこそ!
我等がこの混沌とした世界に正義をもたらすのだ、
わかっておるな?ザエストラ」
祭壇の炎を眺める長老。
その後ろには対象的に若さ溢れる色黒の美丈夫、
ザエストラが立っていた。
「我等の教祖と同じ名を冠した若者ザエストラよ、
光の最高神アフラ・マズダーは既に現世に降臨なされた、
その地は極東アジアの島国・・・・・
日本!!
さあ行け!この夜の暗黒が如く悪に満ちたこの世を、
アフラ・マズダーの正義で照らすのだ!」
そう、自分は会いに行くのだ、
東の空に昇るあの太陽そのものの様に美しく、
暖かい御方が待っておられるのだから。
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