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「どけっ!おまえら!!侠客(おとこ)なら
飛び道具なんぞでなくドスで命(タマ)とりやがれ!!」
先ほど組長を気遣っていたグラサン男はぷッぷッと粋に唾を吹き付けドスを構え、
鉄砲玉につっこんで行った
「ソイヤァァアア!!」
ドスウゥ!!
ドスは鉄砲玉の腹に突き刺さった、
しかし倒れるどころかまったく怯まず
グラサン男の胸倉を掴んだかと思うと豪快にも投げ飛ばした。
「うおぉりゃあぁあ!!」
「そォ?嫌ァアアア!!」
ヴァアグチャアア!!
グラサン男の顔面は、
「忘年会系 大晦日組」と力強く掘り込まれた看板表札に激突、
グラサンの破片が砕けて刺さって血で真っ赤に染り、
組の象徴は無残な姿にされてしまった。
「うわ?!
グラサン兄貴がまるで潰れたトマトみてえに!!」
「腹にドス刺さってんのにコイツ化け物だあ!」
頼れる兄貴が殺られ統制を失った下っ端も次々と組事務所に向かって投げ飛ばされてしまった。
「やばい組員が!
組長のワシはこの防弾ベンツで逃げる!!
ってあれ?エンジンかかってるのに走らないぞ?」
大晦日組 組長は降りかけたベンツのエンジンをかけ、
アクセルを踏み締めるが全く動かない。
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