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だから鉄砲玉の仕事は辛い、
でも兄貴や若頭は喜んでくれる、
期待してくれる。
正月組は残された俺の居場所なんだ。
そしてもう一つの居場所がこのうどん、そばの大型チェーン店「一族亭」だ
うどん、そばの店らしい渋くて落ち着いた外装は何処か懐かしい気持ちになってせめてもの安らぎになる、
ここの店員は俺の様な人間も他の客と同じく笑顔で丁寧に接しているのだ。
自分がやってしまった血と死の強烈な印象を和らげるべく俺はいつも、
甘いぜんざいを頼むの。
今日は休日なのか随分人が多い、
鉄砲玉なんて仕事やってると曜日の感覚がなくなってくるが。
「おいそなた、今日は席が開いてないから相席させてもらうぞ」
物思いにふけってる時に遮るように飛び込んで来た女の声、
時代劇の大奥お局しか喋らない様なおおよそ現代人らしからぬ古臭い口調。
いきなり上から目線で偉そうな事言いやがって!
一体どんな婆さんなんだ?
「なんじゃ?私の顔に何かついておろうか?」
若かった、しかも俺よりずっと年下みたいだ。
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