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何故ライス大盛りなのか?
それは店主が客に出しているナシゴレンだと、
ライスを炒め卵や野菜を盛り付けていて、
巨大なバロン用となると非常に手間と材料費がかかる。
そのため負担がちょっとでも少ないライスのみにしたのだ。
果物とかでも良いが、
それだと益々ロード・バロンと被るし、
『ご飯大好き!』的なキャラ付けのが頼りになりそうなイメージになる。
それでもまだ後ろめたい気分のため、
山盛りのライスを自分の祭壇に盛りつけた料理人や主婦に聞いてみた。
『用意してくれた事はありがたいが、
客や家族に出す分が減るのではないか?
別に残飯とかで良いのだぞ。』
「ハハハ!お気遣いなく!
むしろ客や家族には貴方の残飯を出していますから。」
『えっ!?』
「神獣であるバロン様のおこぼれを頂けて、
私達は光栄ですよ!!!」
『そっそうか!では頂くぞ!』
嗅覚は一応あるが味覚はないし、
消化出来る内臓もない。
なのでゴワゴワした食感ではあるが、
バロンは人々の好意のためか美味しく感じた。
その日を境に、
バロンは寺院の庭で暮らす事になり、
料理人や参拝者が毎日の様にライスを奉納して来た。
それを平らげるとパトロールと称して森に行き、
腹部ハッチから取り出した大量のライスを動物達に分ける事になった。
餌付けは動物達を甘やかす悪い行為だが、
腹の中でライスを腐らせ方が悪い。
そうして動物達がバロンに涅槃の釈迦さながらに群がる姿を見かけた人間は、
バナスパティ・ラジャ(森の王)と呼んだ。
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