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『あんたをまた斬り刻んでやるよ!』
ランダが大きく振りかぶって空を切る様に超振動蛮刀を薙ぐ、
しかし手応えがない!
『今だけは味覚がなくて良かったぜ!
これブルブル震えてったら歯が磨けるしな』
なんと!ランダの刀は気付かない間にバロンの顎で止められ、
噛み折られていたのだ!
『なっ!馬鹿な!昨日より速い!』
『速いだけじゃない!!』
そう言ってバロンは、
後脚で立ち上がる様にして前脚を突き出して飛び掛かった!
『ぐあぁあぁあ!!??』
防ぎ切れずにランダの巨体は吹き飛び、
木々をボウリングのピンの様に倒し、
チャロナラン村から遠ざけられた。
バロンは昼間の人々の期待や、
声援によって強くなっているのだ。
「頑張ってバロン様~!!」
「強いぞバロン様~!!」
『くっ!このままじゃやられる!
このおぉぉぉぉおお!!!!』
『ぐわっ!またか!!』
ランダは逃げるため、
再び超光速欺瞞霊巫(タキオンチャフ)を含んだ煙幕を撒き散らした。
しかし余程ダメージを受けていたのか動きは鈍くて量も少なく、
今回バロンはランダの去り際を、
煙の中でうっすら目撃する事が出来た。
ランダは普段プロペラに使っていたのか、
折れた刀を突き出し腕を回転させ、
ヘリコプターか竜巻の様な轟音を上げて飛び去ったのだ。
『奴も体を回転させて空を飛ぶのか!!』
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