新たな敵

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『ってしまった!』 反重力スラスター切ったままだったバロンは、 頭から真っ逆さまに沼に落ちてしまった! その水しぶきで先程焼いた金属柱やレヤックの炎は消えて、 付近の森には泥水が溢れちょっとした洪水になった。 『ちくしょ~!散々だなあ!』 味覚はないが泥水を結構飲んでしまっては良い気持ちはしない、 嫌な気分でふと見上げると更に嫌な物が見えた。 チャロナラン村の方角から大きな煙が上がっていたのだ。 『なんだ!?ライスを焦がしたのか!!??』 焦げ臭いにおいに胸騒ぎがしたバロンは、 更に中に泥が入る事などお構い無しに、 再び手足を引っ込め、 回転飛行形態になってチャロナラン村へと飛んだ。 村へ近付く度に嫌なにおいと予感は増大していく。 到着したバロンが見たのは信じられない光景だった。 『な!なんだこれは!!!???』 チャロナラン村の住居や市場は、 ことごとく破壊され瓦礫の山と化し、 原形を留めぬ程斬り裂かれ肉塊の花が咲いていた。 『これは一体!?』 「バロン様!今まで何をやっていたのですか!? さっきランダが現れて暴れたんですよ!!」 『えっ・・・奴は夜しか来ないんじゃ?』 「ランダ以外の誰がこんな事しますか!!!」 「ここはまだ良い!! 奴が襲った学校の子供達はもっと酷い有様なんだぞ!!」 「そうだ!うちの子を帰せ!!!」 『そ!そんな!!!???』 駆け付けるのに遅れたバロンを責める村人達、 その中には最初に助けた料理人の男もいた。
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