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サワデ王子を皮切りに、
ランダは次々と人々を襲って殺していき、
遂にバリ島にも現れた。
夜道を歩く親子連れの前に立ちはだかる、
闇より深い黒の巨体に、
血の様に赤い目と舌が輝く。
長く鋭い牙と爪と刀を突き立てる姿は、
誰であろうと恐怖せざるをえない。
『ヒャッハッハッハ！先ずはガキから殺してやろうか！？』
｢待ってくれ！妻を亡くして以来、
私に残されたのはこの娘だけなんだ！
せめてこの娘だけは見逃してくれ！！｣
『そうかい！じゃあ今すぐ仲良く妻に会わせてやるよ！！！』
｢神様アァアァアァアァア！｣
『待てエェエェエェエェエェエい！！！！』
ランダの刀が、
親子目掛けて振り下ろされようとしたその時！
突如金色に輝く巨大な塊が
轟音を上げ回転しながら突っ込んで来た！
あまりの勢いに二本足で立っていたランダはバランスを崩して吹き飛び、
驚きながら見上げる。
金色の塊から赤い閃光の様に４本の足が飛び出し、
正面の装甲が左右に開き、
牙の生えた赤い口が飛び出た。
額の冠状装甲のパワーストーンが輝くと上にスライドし、
大きく丸い瞳が現れた。
『相変わらずだな化け物女！！』
『その声はまさか！！？？』
『そう！お前の最初の犠牲者サワデ王子！！
そして今は聖獣バロン！！！
お前に復讐するために黄泉返ったぜ！！！』
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