51人が本棚に入れています
本棚に追加
「バロン様!ここが私達の街です!」
親子に言われてやって来たチャロナラン村は、
人も多く市が開かれているためか栄えている。
その活気は王子だった頃の領地に似ていて、
バロンは懐かしい気分になった。
しかし高い遮蔽物になる様な建物がなく、
大きくて輝くバロンに人々はどよめき始めた。
「なんだその馬鹿デカい化け物は?」
「馬鹿とか言うな!
この方は私達を魔女から助けて下さった聖獣バロン様だ!
きっとあらゆる災いから守って下さる!」
『ははは!照れるなあ~』
「バロン様!私はこの街で大きなナシゴレン屋を開いております!
なので命を救って下さったお礼に食事をお作りいたしますね!」
『いや、気持ちだけで良いよ!』
バロンが言ったのは謙遜でなく事実である。
神代星人(デーヴァガリアン)の高度な科学力によって造られたバロン、
その動力は電気でも原子力でもない。
無数に生える体毛状のプラグにはセンサーが付いており、
付近にいる生命体の感情、
特に愛や感謝と言った+エネルギーに反応し動力にしている、
霊的稼動機械(スピリチュアルマシン)なので、
本当に気持ちだけで充分なのだ。
しかしそんな機能をこの時代の地球人が理解出来る訳もない。
「店の主を救っていただき、
我々店員や近隣の主婦も感謝しております!
何か作らせて下さい!」
『そ、そうだな~じゃあライス大盛りで』
「かしこまりましたバロン様!!」
最初のコメントを投稿しよう!