激突ビフォーアフター

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「バロン様!ここが私達の街です!」 親子に言われてやって来たチャロナラン村は、 人も多く市が開かれているためか栄えている。 その活気は王子だった頃の領地に似ていて、 バロンは懐かしい気分になった。 しかし高い遮蔽物になる様な建物がなく、 大きくて輝くバロンに人々はどよめき始めた。 「なんだその馬鹿デカい化け物は?」 「馬鹿とか言うな! この方は私達を魔女から助けて下さった聖獣バロン様だ! きっとあらゆる災いから守って下さる!」 『ははは!照れるなあ~』 「バロン様!私はこの街で大きなナシゴレン屋を開いております! なので命を救って下さったお礼に食事をお作りいたしますね!」 『いや、気持ちだけで良いよ!』 バロンが言ったのは謙遜でなく事実である。 神代星人(デーヴァガリアン)の高度な科学力によって造られたバロン、 その動力は電気でも原子力でもない。 無数に生える体毛状のプラグにはセンサーが付いており、 付近にいる生命体の感情、 特に愛や感謝と言った+エネルギーに反応し動力にしている、 霊的稼動機械(スピリチュアルマシン)なので、 本当に気持ちだけで充分なのだ。 しかしそんな機能をこの時代の地球人が理解出来る訳もない。 「店の主を救っていただき、 我々店員や近隣の主婦も感謝しております! 何か作らせて下さい!」 『そ、そうだな~じゃあライス大盛りで』 「かしこまりましたバロン様!!」
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