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それに、院長さまも言ってくれれば良かったのに…普通に笑顔で見送ってやがったぞ。
「あぁ、俺が阿呆なのは知ってるよ」
「知ってたんだネ」
…この野郎。こんな時、普通フォローするだろ。
「見て、ゼルちゃん。雨が弱まったヨ」
トイレの窓から外を見ると、大分雨が弱まってきている。
「本当だ…俺、今のうちに傘屋に行ってくるよ」
傘屋は地域によって違うが、今俺が住んでいる所では傘の貸出もしている。
「それはもう帰るって事?」
「うん」
ヤクにソラちゃんの事を聞く気にはなれない。
聞いたらソラちゃんについて根掘り葉掘り聞かれそうだし…。
俺はついでだから用を足し、ヤクに背を向け手を洗った。
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