ある日曜日の出来事

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 それに、院長さまも言ってくれれば良かったのに…普通に笑顔で見送ってやがったぞ。 「あぁ、俺が阿呆なのは知ってるよ」 「知ってたんだネ」  …この野郎。こんな時、普通フォローするだろ。 「見て、ゼルちゃん。雨が弱まったヨ」  トイレの窓から外を見ると、大分雨が弱まってきている。 「本当だ…俺、今のうちに傘屋に行ってくるよ」 傘屋は地域によって違うが、今俺が住んでいる所では傘の貸出もしている。 「それはもう帰るって事?」 「うん」  ヤクにソラちゃんの事を聞く気にはなれない。  聞いたらソラちゃんについて根掘り葉掘り聞かれそうだし…。  俺はついでだから用を足し、ヤクに背を向け手を洗った。
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