彼女に会いたくて

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「俺もそう思うよ」  後ろに手を置いて体を支えているアカイに、正直にそう返した。 「やっぱり自分でもそう思うんか」  ハハハと愉快そうに奴は笑っている。 「なぁ本当に俺を勝手に、家に上げて良かったのか?」  他に人はいないようだけど…。確かアカイはこの家の当主の護衛みたいな感じで引き取られたんじゃなかったっけ? 「構わんよ。当主(父さん)は細かい事言わないからさ」  “父さん”か…護衛から正式な養子になったって事か。 「そっか…それじゃ、まだ仕事あるし戻るわ。御馳走さん」  カタンとアイスティーの入っていたコップをテーブルに置いた。 「あぁ引きとめて悪かったな……ゼル、お前は俺が今何の仕事してるのか聞かないんだな」  背を向けている俺に、声のトーンを落として言った。 「言いたいのか?なら聞いてやっても良いけど?」
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