彼女の事情 【JYUNPEIの場合】

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しばらくは大人しく 彼女は僕に身をゆだねていた。 「――ねえ、ボク」 だけどやがて 「愛人って何だか分かる?」 甘い吐息で 世間知らずの耳元に問いかける。 「それは……向こうに相手がいるのに愛してしまったんでしょう……?」 まじめくさって答える僕を 「違うわ」 彼女はクスリと笑った。 しらふのくせにすっかり平常心を失った僕から 彼女はゆっくりと身体を引き離す。
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