10人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女の頬を伝う一筋の涙が
本物なのか
偽物なのか
18の僕には分からない。
それでも――。
「100万で僕の物?」
どうしても手放したくなかった。
「高校生が――無理に決まってるでしょう?」
どうしても手に入れたかった。
「おねえさん」
剥き出しになった彼女の足を
僕はゆっくり爪先まで撫で下ろす。
「お金、持ってくるよ」
彼女は目を丸くして
泣きながら首を横に振った。
だけど
もう遅い――。
最初のコメントを投稿しよう!