彼女の事情 【JYUNPEIの場合】

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彼女は俯いたままただ首を横に振るだけ。 指先でブレスレットを撫でて 『J』のチャームを弄んでいた。 「言ったでしょう、僕は――」 震える手を 彼女の指先にそっと重ねる。 「卵が割れるずっと前から」 樹里――。 「おねえさんが好きなんだ」 割れた卵が元には戻らないように 走り出した僕の気持ちももう どうする事もできない――。
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