彼女の事情 【JYUNPEIの場合】

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酔った女の人を目の前にするのは 生まれて初めてだった。 「ほら、着きましたよ」 13階でエレベーターを降りる。 樹里さんは僕にしなだれかかったまんま 動こうとしない。 「マジか……」 仕方なく 彼女のバッグに手を突っ込んで鍵を取り出した。 酔った女性を引きずって 彼女の家の鍵を勝手に開けるなんて。 なんだか――とっても 悪い事をしているような気がしてくる。
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