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「……びしょ濡れ」
「自分のせいでしょう?」
胸元から裾の方まで
赤いドレスがしどけなく濡れた。
美しく伸びた膝下から爪先に
ゆっくりと水滴が伝う。
「……タオル、取って来る」
その官能的な姿態に。
平静を装いながらも
僕は息が出来ないほどドキドキしていた。
「ねえ」
そんな僕の気持ちを知ってか知らずか――。
「……樹里さん?」
立ち上がった僕の手首に
彼女は冷たい指先を絡めてくる。
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