墓標

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私が住む黄泉市 比良坂町は、 その名に相応しい死んだ様に活気のない住宅地だ。 山奥に作られたニュータウンで、 お洒落な都会ぶっているが所詮は田舎。 いや田舎と言うにはあまりに生活感がなさ過ぎる。 通行人はなく動く物はたまに通る自動車位、 子どもたちが遊ぶ姿も見受けられないし、 添え物の如く建てられた大型スーパーも、 見た目ばかり良くて品揃えが悪すぎるので客はあまりいない。 私が住む高層マンションも清潔感ある真っ白な風貌で、 高級ホテル風の内装だがそれ故に暖かみがない。 それは町の名も合間って巨大な墓標にも見えた。 中学校に登校するたびにそれを見上げてしまうので、 冬休みが終わり、 ただでさえ憂鬱な朝はますます氣が滅入るのだ。 もっとも中学校に登校したからと行って、 中学生日記の様な甘酸っぱい青春模様も、 金八先生の様に親身な教師がいる訳ではない。 ただただ寒く、空虚、無意味、つまらないのだ・・・・・
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