墓標

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なんという流れ、 私には笑う事ができない。 テレビに出る文化人なら活字離れした現代の若者がどうのこうのとこぞって叩くのだろうか? 日本文学を携帯小説風に横書きにして売ったり 瀬戸内寂聴が「ぱーぷる」とかいう名前で携帯小説書く時代に相応しいとも言える、 と言っても私自身も文化人に叩かれる若者の一人だろう、 なんせ人気漫画家が描いた表紙につられて人間失格や地獄変を買ったのだから批判する筋合いはないか。 どっちにしろ私は先生に当てられる事なんてない、 芸人と同じでどうしてもいじりやすい人を何度もかまってしまうのが人間なのだから。 「湖里、源氏物語で光源氏が愛した母親の面影を持つ少女の名前を言ってみろ。」 「へ!?」 しまった当てられた、 まさかこの流れで当てられてしまうだなんて。 斜にかまえた考え事していたせいで肝心の授業内容が頭に入っていなかった 「え、えーと紫式部?」 「何言っとるそれは作者だ! 少女の名前は紫の上、 紫で頭の中ごっちゃになっとるんじゃないか!?」 「アハハハハ!コリリンチョーウケるんですけど〓〓〓」
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