『 雨 』

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   「フフッ。一緒に入りたいと  は思ってくれてるのかな?」  「うっ」   若さゆえに身体が素直な純  平にとって、牧村と風呂に入  るのは刺激が強い。そのこと  を嫌というほど知っている純  平は、牧村に誘われても断る  ようにしていた。  「明日も仕事だからね。良い  子にするって約束するよ」  「良い子って……」  「いや?」  「……イヤじゃ、ない」  「フフッ」   結局いつものようにズルい  人だと純平は溜め息を漏らす。  そして握られた手をギュッと  握り返して、いつかやり返し  てやるからと恨めしそうに睨  み付けた。  (あぁ……可愛いなぁ)   そんな野望を抱いたところ  で牧村には伝わってはおらず、  睨みつけられても懲りること  はなかった。
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