Story.1

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   「え?この家売っちゃうんで  すか?」   食卓を挟んで向かい側に座  った牧村さんが、爆弾発言を  したのは遅めの晩御飯を二人  で食べてる途中だった――  「うん。ひとりじゃ広すぎる  からね」   にっこり微笑む牧村さんに  暗い影はなかったから、俺は  とりあえず安心した。安心し  て……やっぱり複雑。   俺、榊純平はこの穏やかで  ぽややんとした牧村真一郎さ  んと、つい最近付き合い始め  たラブラブカップルだ。   お互いゲイじゃなかったし、  牧村さんは別居中の奥さんが  いたりして、俺は好きになっ  ちゃいけない!って、思って  たんだけど……牧村さんは俺  を好きになってくれた――   牧村さんはただのぽややん  じゃなくて、マジでイケてる  ぽややんなんだ!   普段は仕事が出来る凛々し  いスーツ姿が、すっげぇ格好  良いんだけど……
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