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「……どういう事?」
もも子が自分の話に食らいついた。それを察したウンチくんは、少しだけ笑みを漏らしながらも説明を続けた。
「我々の間ではギブアンドテイクが成り立つということだ。確実ではないがな」
ウンチくんの語り口は、聞き手をのめり込ませる魔力があるかのようだ。その証拠にもも子が彼を見る目は、偏見の視線から変化してきている。
「興味があるなら、先にそちらから話そうじゃないか。キミの持病であるおならだが、これまで恐らくキミはその破壊力に散々苛まれてきたものと見受ける。どうにか治す術は無いか、きっといくつもの医療機関を回ったんじゃないかな?」
ウンチくんの推測は当たった。確かにもも子はおならを治すため幾度となく数多の病院という病院に足を運んだが、徒労に終わった過去を持つ。
「そうよ! でも、どこの病院でも言われるのよ。『こんな症状は見た事が無い』『原因がさっぱりわからないから治しようがない』『現代医学の領域を超えている』ってね」
「そうか。フフ、『現代医学では』か……」
ウンチくんは意味ありげに、もも子が発したフレーズの一部を反芻する。
「面白い話をしよう。キミは“カタカムナ文献”を知っているかな?」
唐突に振られたけったいな書物の話題に、もも子は訝しげな表情を浮かべる。
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